RINTOに聞け!発達障害ってなんだ?

~“ちょっと気になる”を一緒に考えよう~

イベントレポート

開催:オンラインLIVE配信
日時:2025年11月22日(土) 21:00~22:00
ゲスト:RINTO&kiryu
主催:NPO法人SECIプレイス 

「違い」を理解し、「どう関わるか」を考える
~ ディスレクシア当事者と母が語った、学びと成長の軌跡 ~

皆さんは、職場で、あるいはご家庭で、ふとこんなことを感じたことはありませんか。
「あの人の行動、どうしてなんだろう?」
「わが子の不器用さ、どこまで見守ればいいのだろう?」

「発達障害」という言葉は聞いたことがあっても、
身近な人の“ちょっと気になること”とどう結びつくのか、
また、どう対応すればよいのか分からず、戸惑うことも多いのではないでしょうか。

今回、学習障害(LD)の一つである ディスレクシア(読み書きの困難) の特性を持つ
RINTO(りんと)さん と、その成長を20年以上支えてきた母・貴流(きりゅう)さん をお迎えし、トークイベントを開催しました。

RINTOさんは、ご自身の経験をもとに、母である貴流さんとともに情報発信を続けています。

当事者の視点から語られる「学習障害(LD)のリアル」、
家庭や職場で役立つコミュニケーションのヒント、
そして、親の立場から見た発達特性のある子どもとの向き合い方について、
参加者の疑問を交えながら、共に考える時間となりました。

*ディスレクシアとは

知的な能力に問題がないにもかかわらず、
「読む」「書く」ことが極端に苦手になる学習障害のひとつです。
脳の情報処理の特性により、文字を認識したり、音に変換したりすることに時間がかかります。
理解力や発想力は高くても、読み書きに負荷がかかるという特徴があります。

◆参加者の声に共通していた思い

参加者の多くから聞こえてきたのは、
「当事者のリアルな声を聞きたい」
「家庭や職場でのコミュニケーションのヒントが欲しい」
という切実な声でした。

この日、親子が語った等身大のストーリーは、
参加者一人ひとりに「理解するとは何か」を静かに問いかける時間となりました。

◆登壇者紹介

■ 貴流(きりゅう)さん

 『石が教えてくれた“形の違い”の美しさ』
海辺に暮らし、黒みかげ石を集めるという独自な趣味を持つ貴流さん。
「同じように見える石でも、形も質感も一つひとつ違う」と語ります。

「石が違うように、人もそれぞれ異なる“かたち”を持っている」
「見方を変えれば、使い方も可能性も変わる。子どもたちも同じ」

発達特性を「課題」ではなく「多様性」として受け止める視点が、参加者の心に強く響きました。

■ RINTOさん
ディスレクシアという壁と向き合う日々

「漢字は、全部記号に見えるんです」

幼少期から読み書きに困難を抱え、読めるのはひらがな・カタカナが中心
短期記憶が弱く、板書が難しい
両眼視ができず、3D映画は平面的に見える
など、生活や学習の中で多くの壁に直面してきました。

現在は、某有名施設で接客スタッフとして働いています。
面接では、
「読み書きができないので、指差しと口頭指示でお願いします」
と正直に伝え、採用を勝ち取ったといいます。
このエピソードは、参加者に大きな勇気を与えました。

教育現場の“IT格差”と、まな板のようだったiPad

RINTOさんの小学校時代、学校にはWi-Fiがなく、読み上げ機能も音声入力も使えませんでした。
・iPadは「ただの光る板」
・「お友達に見られないように」と、お腹に隠して教室へ
というエピソードからは、当時の理解の乏しさとやりきれなさが伝わってきます。

それでも貴流さんは諦めず、幼い頃からデジタル機器との接点をつくり続け、RINTOさんの「得意」を育てていきました。
その結果、RINTOさんはデバイスを自在に操る“マスタークラスへ成長していったのです。

力を伸ばしたのは、熱中できる環境と試行錯誤

ゲーム:コントローラー操作が身体感覚を補う役割に
プログラミング:Minecraftをきっかけに、ロボット競技会で日本7位
高速読み上げ(即読):「1倍速では遅い」と感じるレベルの理解力
「説明書が読めないから、やってみるしかない」
という言葉は、試行錯誤を力に変えてきた姿勢を象徴しています。

RINTOさん
親子が共有するメッセージ:外に出し、つなぎ、楽しむ

不登校気味だった時期も、貴流さんは諦めませんでした。
ワークショップ
地域の人との交流
得意を伸ばしてくれるデイサービス

外の世界とつながる経験が、RINTOさんの中に「世界は広い」という実感を育てていきました。

貴流さんは語ります。
「親子でも、会社同士でも、楽しんでほしい」
「普通という呪縛を手放し、その子らしさを大切にしてほしい」

貴流さん

RINTOさんの座右の銘は、
「すべての事象は膨張から始まる」。
広げ、試し、組み合わせることで、その人ならではの力が発揮される。
それが、このイベントの核心でした。

参加者アンケートから見えた「気づき」と「リアル」

アンケート結果では、全員が “気づきがあった” と回答。
参加理由のトップは
「当事者のリアルな声を聞きたかった」
続いて、
「発達特性について基礎理解を深めたい」
「進学や就労のリアルを知りたい」
という切実な声が並びました。

印象に残ったポイント

・できない部分より「できる部分」に目を向ける視点(Aさん)

・親子の“伴走する距離感”が美しかった(Bさん)

・読み上げ速度に新たな可能性を感じた(Cさん)

・家庭や職場のコミュニケーションを見直したい(Dさん)

・挑戦し続ける姿に勇気をもらった(Eさん)

今後知りたいテーマ

・当事者の進学・就労

・ASD/ADHDなど他の特性理解

・子どもの得意の伸ばし方

・親のメンタルケア

・家庭での支援方法

・職場でのコミュニケーション

多くの学びと気づきが、参加者の中に確実に芽生えていました。

おわりに

「違い」を理解し、「どうしたらできるか」を一緒に考えること。
それは家庭でも職場でも、人との関係を築くうえでの大切な一歩です。

今回の親子のストーリーは、“特別なケース”ではなく、“誰にとっても大切なヒント”を含んでいます。

あなたの職場で、家庭で、身近な人との関係で
「少し気になる」「うまく伝わらない」
そんなモヤモヤがあるとき。
もしかするとそれは、性格”ではなく、“認知の違い”かもしれません。

理解し合うためのヒントは、今回のようなリアルな声の中にあります。

はぎの@SECIプレイス

SECIプレイスは、これからも
「違いを学び合い、支え合う場づくり」を続けていきます。

講演者とのQ&A 

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1czQJ82uWpaA2H1qy5VIEoLsLFt_DGVMaKBA7hOzZoSM/edit?usp=sharing

◆講演者プロフィール

【RINTOさん】

「できない」より「どうやったらできるか」
ディスレクシアと視覚障害を特性として持ちながら、テクノロジーを味方に成長。
現在、水族館で新しいお仕事スタート中。
マイブーム:  switch2がキタ〜!
活動のHP

【貴流・kiryuさん】

二児の母卒業期(定型+発達障害)
本業はgraphic base IT Designer
マイブーム : 黒御影石採集 釣り

【主催】
NPO法人 SECIプレイス 運営チーム 萩野、米山、梶並

この活動は、NPO法人SECIプレイスの社会教育の推進、子どもの健全育成の一環としての位置付けでもあります。

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